2002年5月5日 カトリック新聞
東ティモールで、犠牲となったすべての命のための追悼コンサート
5月20日、東ティモールは独立する。その喜びの中、犠牲となった人や生きものに追悼の意を表し、共に独立を祝いたいとして、名古屋市で非営利団体「環音(わをん)」が設立された。立ち上げたのは、3月に南山大学を卒業した広田奈津子さん。国境を超えた音同士が結ぶ「環」を信じ、それを必要とする人や生きものに届けたいとの思いが名称に込められている。
20日、ディリで開催される「独立祝賀コンサート」(東ティモール暫定政府、国連東ティモール暫定統治機構主催)に、インドネシアを除くアジアから唯一、「環音」の呼び掛けで日本の音楽グループが参加することになった。阪神淡路大震災被災地で誕生した「ソウル・フラワー・モノノケ・サミット」だ。
「生」に感謝し、沖縄の三線(さんしん)や和太鼓などを用いてオリジナル曲のほか沖縄、朝鮮、アイヌの民謡などを演奏する姿は、聞く人にエネルギーを与えている。
一方、東ティモールは日本からも含め植民地支配を受け続けて国の存在を否定され、インドネシアの軍事侵攻では3年間で約3分の1の住民を失ったといわれ、虐待の中で生きてきた。それでも音楽は、すべてを超えた存在への感謝に満ち、優しさを伴っているという印象を、広田さんはもつ。
「環音」から東ティモールの音楽と今回の趣旨を伝えられた「ソウル・フラワー」は即座に出演を快諾。「住民の皆さんと触れ合い、心を直接届けたい」との思いは両者に共通しており、話は順調に進んだ。
「環音」の主催で21日、「東ティモール祭」をディリで行う。参加は伝統音楽家、世界各国の音楽家らと住民。「環音」は、誇りをもって自国の文化を取り戻し、再度平和の中で歌えるようにと願っている。
「環音」は、オリジナルTシャツなどで協力を呼び掛けている。問い合わせはTEL052−736−2534。郵便振替=00810―8―95180「環音」