2002年4月2日 読売新聞 地域版
21世紀初の独立国・東ティモール祝賀コンサートに日本人バンドを
名古屋の広田さん NPO設立、参加準備
今春、南山大学外国語学部イスパニヤ科を卒業したばかりの名古屋市守山区、広田奈津子さん(23)が、5月20日に「21世紀初の独立国」となる東ティモールで開かれる祝賀コンサートに、日本人のバンドを出演させようと、NPO「環音(わをん)」を発足させ、準備を進めている。
広田さんは、大学では、スペイン語やスペイン語圏の歴史・文化を学ぶうちに、植民地となった国々の先住民族の文化に興味をもった。卒論のテーマは「アメリカ大陸先住民―白人文明とモンゴロイドの出会い」。異色の内容だけに、担当教授にも驚かれた。
東ティモールの現状を知ったのは、南山大在学中だった2年前、同市中区の印刷会社でアルバイトを始めたことがきっかけだった。所長の友人で、現地で支援活動をしている男性から、毎週のように電子メールが届いていた。読むうちに、東ティモールの伝統音楽に心ひかれるようになった。
東ティモールは東インド諸島・ティモール島の東部に位置し、400年以上にわたって、植民、占領、軍事侵攻下にあった。
広田さんは昨年11月、独立当日に暫定政府と国連が開く祝賀コンサートに、欧米各国の有名歌手が参加の意向を示す中で、アジアからの出演がないことを知った。「日本からも参加させよう」と決意すると、さっそく、阪神大震災の被災地でのボランティアコンサートなどで知られる関西のバンドに出演を依頼した。
バンドから快諾を得ると、今度は現地にテープや資料を送って出演を申し込み、新年早々、主催者側からOKの返事をもらった。航空券の手配など渡航のめどが立った今年2月、「今回の行動を形に残し、これからも“音の交流”を通して平和の喜びを伝えていこう」と環音を設立し、自ら代表となった。広田さんのパワーに感服した所長ら4人がスタッフに名を連ねる。
コンサート翌日には、中心都市・ディリの学校校庭で、環音主催の祭りを開いて現地の住民や音楽家たちと交流する。広田さんは「世界各国の伝統音楽には共通部分がいくつもある。世界中を、そういう音のネットワークでつなげたい」と夢を語る。
環音(052-220-1701)ではカンパや協賛企業、ボランティアスタッフを募っている。
カンパの振込先は、郵便振替00810・8・95180「環音」。